コロナ禍を機に『Eコマース』について興味を持ったり、導入を検討したりされたお店は多いのではないでしょうか。
Eコマースとは俗に言うEC、電子商取引というものでいわゆる『ネットショッピング』のシステムのこと。
緊急事態宣言中は特に、お客様は外出を制限され、われわれ美容室含む『店舗型のビジネス』は大打撃を受け、伸びたものといえばゲームやEコマースといった〝家で消費できる産業〟でした。
そんな中、お客様が来ない もしくは購買周期が伸びているお客様に対して『何かできることはないか...』『何か売れるものはないか...』と考えると、当然ネットで店販商品を売ろうかという結論に至りますよね。
お店に来れないお客様が、使い切ったシャンプーやトリートメントをどこで買うか?
いつもはサロンで買っていたのに、外出控えで買いに行けないからネットで買えるようにした方が良い!これはごく自然な流れだと思います。
実際にもともとEコマースを導入して定期的にそこからの売上があったサロンは、普段よりも伸びたという事例が沢山ありました。
元々やっていなくても、インスタでガンガン宣伝して手梱包で(笑)売上をつくっていたサロンもあったようです。(←人件費...)
で、弊社グループは?と言うと、未だEコマースは手を出していないので、完全に乗り遅れちゃった感がありますが...笑
実はそうではなく、1年前から色々と動いてはいました(なんなら個人的に構想は数年前から動いてた)が、上場企業・FC事業であるが故の色んな大人の諸事情で断念、といった感じです。残念!
ただ、よく考えないといけない点が1つあります。
それは各々の美容室が抱えている顧客数でEコマースを導入しても、儲かる?
って問題です。
『うちはECで売上めっちゃ上がってるー!』というサロンのほとんどは、元々お店で買ってたお客様がそちらに流れたり、少しだけ購買単価が上がったり、って感じで大して売上としてインパクトが少ない会社が実は多い。
その時々の旬な商品であれば、検索でひっかかったお客様からの購買はあるかもしれませんが、全体の売上や利益で見たら全然少ない...
なんて事も。
ただEコマースをやらないよりかは、やる方がお客様にとってはメリットなので、有ると良いとは思います。ですがそもそも
『わざわざ高い送料払ってネットで買うくらいなら、お店に行って買うよ』ってお客様の方が圧倒的に多いって事に気付かない人も多いんですよね。
節約思考の高い主婦層を多く顧客にかかえる中規模〜大規模店であればあるほど、この考えはシビアです。
数十円安い卵を買うのにわざわざ違うスーパーに行く人が、なぜ安くもない(むしろ送料分高い)ネットでものを買うのか?
相当なメリットがなければ継続購入は難しいでしょう。
美容室専売品であるシャンプーやトリートメントは、美容師さんが勧めてくれるからこそ買ってもらえます。いわば『カウンセリング化粧品』です。
その辺のショップで商品だけ置いていても、ただ高いだけのシャンプーってだけで売れませんよね。
Eコマースでの商品販売は、実店舗での販売の延長です。
ネットで買えるようにしたから売れるのではなく、売れるものをネットという道具を使って更に効率よく販売するための〝ブースター〟です。
人に商品を販売する能力や、作り込まれたマーケティングの無いお店がEコマースをやったところで、売れないものは売れません。
ぶっちゃけうちのグループは店販の販売は弱いです。
個別でみると商品売上の高いお店もちょくちょくありますが、全体間では比率も低いのでそれをネットで急に売るとなっても大して利益はとれないと(完全に僕個人の意見ですが)思っています。
もちろんEコマースで上手く利益を上げてるサロンさんもありますが、自社製品の販売で、且つ相当なシェア(顧客数)をもってないと、そこまで利益を取れてないでしょう。
店舗型ビジネスには店舗型のメリットや強みがあります。
まずは目の前のお客様にちゃんと商品を販売することを主にして、その延長でEコマースを考えていくのが得策だと考えています。
0コメント